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第2回用語検討会議に関する所感の共有について

  • 執筆者の写真: 事務局
    事務局
  • 1月5日
  • 読了時間: 7分

更新日:4 日前

第2回用語検討会議に参加した仰木が、会議後に所感をまとめ、当会運営委員会の承認を得た上で、会議参加者の皆さまへ共有した内容を以下に掲載します。

本所感には、一部、生成AIを用いて整理・要約した情報も含まれています。近年、大企業における「AI役員」の登用や、アルバニアにおけるAI大臣の設置など、意思決定や検討プロセスにAIを補助的に活用する動きは国際的にも広がっています。

もちろん、「AIの使用は慎重であるべき」という大前提を踏まえた上で、今回のテーマに関しては、提示された内容が論理性・妥当性を有すると判断し、参考情報として採用しました。

「リンパ管奇形」という用語の見直しをめぐる動向を見守ってくださっている皆さまとも、情報を共有することを目的に、当会ブログへ掲載いたします。

第2回用語問題についての検討会議・所感

 

NPO法人リンパ管腫と共に歩む会

① 研究班主導で再度アンケートを実施する案について(賛成理由)

アンケートを繰り返しながら合意形成を行うプロセスは、2022年~2023年に欧米主導で実施された NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)からMAFLD(代謝異常関連脂肪肝)への名称変更 においても採用されました。このプロセスは、本用語検討会議における今後の議論の進め方においても参考になると考えます。その一助として、関連論文・A multisociety Delphi consensus statement on new fatty liver disease nomenclatureを生成AIで要約した資料を添付いたします。

疾患名変更をめぐる国際的な議論では、論理的かつ体系的な検討手法がすでに確立されていることを、ご理解いただけるのではないでしょうか。

また、アンケート調査では、他者の意見に触れることで、自身の考えが変化する可能性も十分にあります。

以下は、その一例です。

2023年5月に当会が公開したアンケート結果(回答者属性:医療者・アカデミア 212名)では、以下の回答が得られました。

言語的観点:「奇形」は適切だと思いますか?

・「どちらかといえば不適切」+「不適切」= 24.1%

社会的観点:「奇形」は差別・侮蔑を含むと思いますか?

・「どちらかといえば含む」+「含む」= 30.2%

医学的観点:「奇形」は適切だと思いますか?

・「どちらかといえば不適切」+「不適切」= 35.5%

一方、2024年7月のシンポジウムにおいて、神人先生のご講演で紹介された情報によれば、2023年9月に貴学会内で実施されたアンケートでは、90%以上が「奇形を見直すべき」と回答 されたとのことでした。

両アンケートは対象者が異なるため単純比較はできませんが、結果の差は明らかであり、当会の調査が一定の影響を及ぼした可能性も否定できないと考えます。

アンケートの対象範囲については議論の余地がありますが、回答するか否かは各個人の判断に委ねる形が、より適切ではないでしょうか。

② ICD-11について

以前、顔面リンパ管腫の手術を受けた当事者が指定難病に認定されなかったという事例がありました。申請先の行政に確認したところ、主治医は「リンパ管腫症」として申請していました。しかし当事者本人は「リンパ管腫」と診断されており、診断書にも「リンパ管腫症」の記載はなく、顔面以外の病変もありませんでした。

これは、指定難病名が「巨大リンパ管奇形(頚部顔面病変)」であり「リンパ管腫」が併記されていないため、主治医が誤認した可能性があります。仮に誤認でなかった場合には、診断書が正確ではなかった、ということになります。主治医に確認したところ「リンパ管腫症もあった」と説明されましたが、当事者にとっては初耳でした。相談を受けた時点で不服申立ての期限(半年)が過ぎていたこと、また他に医師がいない状況で関係悪化を避けたいとの理由から、再申請は行われず、不利益が解消されないままとなりました。

ICD-11の話題の際に、「医療者・行政で使用する名称」と「患者に伝える名称」を分ける選択肢についての意見がありました。しかし、上記のように複数名称が混在すると、医療者間や医療者と行政の間で齟齬が生じ、結果的に患者に不利益をもたらす可能性があることを改めて指摘したいと思います。

ここでICD-11に関して、いくつか確認させていただきたく存じます。

  • 本検討会議で新しい疾患名を決定した場合、ICD-11に反映される可能性はあるのでしょうか。タイミングからして、可能性はゼロでしょうか。

  • 類義語として後から追加する可能性はゼロではない、ということでしょうか。

  • 「形成異常」か「形態異常」かについては、研究班として「形成異常」で一致しているにもかかわらず、ICD-11に反映されていないことを問題視されているのでしょうか?

私の理解不足で議事録に記録されている場合はご回答は不要です。

③ マルフォーメーションやアノマリーについて

NAFLD名称変更の例と同様に、将来的に Malformation や Anomaly 自体がスティグマを含む用語として議論の対象となる可能性も否定できないと考えています。そのため、数か月前にISSVA事務局へ「これまでにそうした意見が上がったことはあるか」との問い合わせのメールを送りましたが、現時点では回答をいただいておりません。


そこで、参考までにChatGPTに「Could the terms “Anomaly” and “Malformation” carry stigma? (AnomalyやMalformationはスティグマを含む可能性がありますか)」と質問したところ、以下の回答がありました。論理性を有していると判断しましたので共有します(原文および和訳を記載します)。


【ChatGPT】Good question — yes, both “anomaly” and “malformation” can carry stigma, depending on context and audience. Here’s a breakdown: 「良い質問ですね。はい、“anomaly(アノマリー)”と“malformation(マルフォーメーション)”の両方は、文脈や受け取る人によってはスティグマ(差別的な含意)を持つことがあります。以下にその内訳を説明します。」

🔹 Anomaly

·<Medical usage>: In medicine, anomaly is a neutral, technical term meaning “a deviation from normal development” (e.g., congenital anomaly).

· <Possible stigma>: Outside of medicine, “anomaly” can mean “abnormal,” “odd,” or “strange,” which carries negative social connotations. Patients and families may feel it implies they are abnormal or not normal.

🔹 アノマリー/異常

医学的な使い方>: 医学的には「正常な発達からの逸脱」を意味する比較的中立的な用語(例:先天性anomaly)。

スティグマの可能性>: 医学以外では「異常」「奇妙」「異質」といった意味で使われるため、患者や家族には「普通ではない」と受け取られ、ネガティブな印象を与えることがある。

🔹 Malformation

<Medical usage>: In clinical language, malformation is used for structural developmental differences (e.g., vascular malformation).

<Possible stigma>: The prefix “mal-” means “bad” or “ill” in Latin, so malformation literally means “badly formed.” That can reinforce feelings of defectiveness, inferiority, or judgment, even if physicians intend it purely as a technical descriptor.

🔹 マルフォーメーション/形成異常

<医学的な使い方>: 発生過程での構造的な違いを示す専門用語(例:脈管形成異常)。

<スティグマの可能性>: 接頭辞 “mal-” はラテン語で「悪い」「不良な」を意味するため、直訳すると「悪く形成された」となる。医師が技術的な意味で使っていても、患者にとっては「欠陥」「劣っている」と感じられることがある。

🔹 Why this matters

  • Medical neutrality vs. social meaning: What is “neutral” for doctors may not feel neutral for patients. Words can reinforce stigma and affect identity.

  • ·International trend: WHO and patient groups increasingly prefer terms like “condition,” “difference,” or “variant” when possible, instead of terms rooted in “abnormality” or “mal-.” For example, “congenital anomaly” has been criticized for this reason.

🔹 なぜ問題になるのか

  • 医学的中立性 vs 社会的意味: 医師にとっては中立的な専門用語でも、患者や家族には否定的なニュアンスとして伝わる場合がある。

  • 国際的な傾向: WHOや患者団体の中では、「abnormality」「mal-」といった否定的ニュアンスを含む用語よりも、「condition(状態)」「difference(違い)」「variant(バリアント/変異)」 など、より中立的な表現を使う方向性が強まっている。

✅ Summary:

·                 Anomaly → sounds abnormal/strange to the general public.

·                 Malformation → literally “badly formed,” which can feel judgmental.Both terms risk stigma in patient communities, even if medically standard.

✅ まとめ:

·                 Anomaly → 一般の人には「異常」「奇妙」という印象を与えやすい。

·                 Malformation → 「悪く形成された」という直訳から、評価的で否定的に響きやすい。どちらも医学的には標準用語だが、患者コミュニティではスティグマにつながる可能性がある。

NAFLD名称変更の経緯からも明らかなように、世界的にはスティグマを含む用語への敏感さが増しています。したがって、日本語の疾患名が安易に英語表記に引きずられないよう、単に「受容できるかどうか」という観点ではなく、英語をそのまま用いること自体を避ける方が賢明であると考えます

余談ですが、つい一昨年までネット自動翻訳では Malformation が「奇形」と訳されていましたが、最近の生成AIでは「形成異常」と訳されるように変化していました。

④ 今後の議論の進め方について

時間や労力を要することがあっても、論点を一つひとつ明確にし、丁寧に検討を積み重ねることが必要です。これまでの「用語の印象を共有する段階」から、用語の意味を多角的かつ論理的に議論する段階へと移行すべき時期に来ていると考えます。

本会議の最終的な決定事項が社会的に説得力を持つためには、まずは当事者を主体としつつ、より幅広いステークホルダーにアンケートを実施し、多様な意見を拾い上げ検討することを要望します。

 以上

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