指定難病に認定されている疾患名は「リンパ管腫症/ゴーハム病(指定難病277)」と「巨大リンパ管奇形(頸部顔面病変)(指定278)」と2種類あります。
先日、あるリンパ管腫(リンパ管奇形)当事者さんから、主治医が「リンパ管腫症/ゴーハム病」で指定難病医療費助成申請を提出し、認定がおりなかったという相談を受けました。今後、申請予定の方々が同じようなトラブルにあわないため、ご本人の了承のもと、Aさんの体験談をシェアします。
20代の成人当事者Aさんは、昨年、顔面舌部リンパ管腫の摘出術と気管切開術を受けました。
その際にかかった治療費の負担軽減のため、病院側が指定難病医療費助成申請手続きを行ってくれましたが、後日行政から届いた通知書の疾患名には「リンパ管腫症/ゴーハム病」と記載がありました。Aさんはこれまでリンパ管腫症と診断された憶えはなく、該当の手術同意書にも「リンパ管腫」と明記されていました。
この相談を受けて、当会は担当の行政機関あてに、申請時の疾患名と、不認定の理由説明を文書で求めたところ、同じく文書で回答がありました。
申請は確かに主治医より「リンパ管腫症/ゴーハム病」で提出され、診断基準に該当しないため不認定になった、とありました。
残念ながら当会がこの事実を把握したのはすでに不服申し立て期限を経過した後だったため、行政の判定を覆す働きかけは行えませんでしたが、 主治医がなぜ「リンパ管腫症/ゴーハム病」で提出したのか確認するようAさんに促したところ、主治医から「(Aさんは)リンパ管腫症とリンパ管腫と両方あり、リンパ管腫の方は軽度だから認定されないだろうと判断したため」という返事があったそうです。しかし、繰り返しになりますが、Aさんはリンパ管腫症の診断を受けた憶えはありませんでした。カルテ開示請求をすすめましたが、Aさんは主治医との関係性の悪化を懸念し、請求は断念されました。 また、難病情報センターに確認したところ、軽度でも条件を満たせば認定される場合があるそうです。
こういった行き違いが発生しないために、指定難病医療費助成申請をされる方は、申請前に必ず主治医と書類の記載内容を十分確認されることを強くおすすめします。 Aさんの場合、病院側が直接申請書類を送付したため、申請前に本人が書類を確認できていませんでした。
もし、主治医との意思疎通が難しいと感じておられるかたは、一度当会へ相談してみてください。
第三者の団体としてお手伝いできることがあるかもしれません。
*申請に必要な書類は難病情報センターHPよりダウンロードできます。
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